ダイビングのタンクについて|種類や容量、圧力など【完全版】

ダイビングのタンクについて|種類や容量、圧力など【完全版】

部長です。

ダイビングのタンクで、種類や圧力、容量やタイプなどについて解説します。

タンクについてマスターしたい人は参考にしてください。

 

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1. タンクの呼び方

最初に書いておくと、タンクの呼び方は「タンク 」または「シリンダー」と呼びます。ボンベという言い方をすると初心者だと思われます。

また、海外でのダイビングでもシリンダーで通じるので覚えておくといいです。タンクでも通じると思いますが、シリンダーの方がポピュラーです。

 

2. タンクの材質

タンクの材質

一般的に、タンクの材質は二種類です。

  • スチールタンク
  • アルミタンク

日本ではスチールタンクが主流ですが、世界的にはアルミのタンクが主流です。

意外と知られていませんが、スチールとアルミタンクは同じ10リッターであれば、アルミタンクの方が約700グラムほど重いです。

2-1. スチールタンク

スチールのタンクは硬く、丈夫なので外部からのダメージに強いです。また、重量も重く、空のときでもマイナス浮力になります。

  • 10Lタンク単体での重さ:約13.3kg
  • フル充填時:約16kg

【スチールタンクのメリット】
スチールタンクでダイビングをするメリットは、ウエイトが少なくて済むことです。ウェットスーツで体重60キロくらいまでの人ならウェイト無しで適正浮力になるのではないかと思います。事実、私も日本でスチールタンクで5mmジャージのウェットですと、ウェイトはつけません。

【スチールタンクのデメリット】
スチールタンクのデメリットとしては、錆びやすいことです。鉄を海水にさらしておくと、すぐに錆びます。その為、スチールタンクのほとんどは錆止めの塗装やコーティングがしてあると思います。

2-2. アルミタンク

アルミはスチールより柔らかいので、外部からの衝撃でダメージを受けやすいです。そもそもスチールより素材が弱いので、タンクを作る際は頑丈に作らないといけないので、タンクの壁が分厚くなります。その為、スチールのタンクよりも少し大きいと思います。

  • 10Lタンク単体での重さ:約14kg
  • フル充填時:約17kg

【アルミタンクのメリット】
水中でもスチールほど重くはありません。また、スチールよりも錆や腐食に強いです。こういった理由が世界ではアルミタンクが主流になっている理由です。

【アルミタンクのデメリット】
アルミタンクのデメリットとしては、水中での浮力が強いです。パラオなんかですと、アルミの9リッターが標準サイズになりますが、残圧が50くらいになってくると、タンクそのものがプラス浮力になって浮きます。特に11リッターくらいのデカタンを使っていると、最後の方はびっくりするくらいお尻のあたりからタンクが浮こうとするので、ちょっとめんどくさいですね。

そういったことから、スチールよりもやや多めのウェイトが必要になるといったデメリットがあります。

 

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よく海外にダイビングをしに行くと言うと、

「アルミタンク軽いからウエイト増やした方がいいよ」

と言われることが多いと思いますが、説明したとおりタンクが軽いわけではなく、

「水中での浮力が強いから」

が正確な返答です。覚えておきましょう。

 

3. タンクに入っている空気の容量と残圧

タンクに入っている空気の量と残圧

一般的には、200気圧で圧縮された空気がタンクに入っています。

例えば、ダイビングをしているときに見る残圧計は、正確に言うと残りのエアーの量ではなく、残圧を見ていることになります。つまり、残圧計は残りの空気の量ではなく、残りの圧力を表示していることになります。

3-1. 計算方法

タンクに入っている空気の量を計算する方法は以下のとおりです。

10リットルタンク×200気圧=2000リットルの空気が入っている

12リットルタンク×200気圧=2400リットルの空気が入っている

実際にダイビングをするときには、ダイブ前に残圧をチェックしますが、10Lタンクの人も12Lタンクの人も、残圧は200からスタートすると思います。

これがタンクの空気の量ではなく、残圧を見ているという理由です。

 

4. タンクのバルブシステムと形状

タンクのバルブのシステムと形状

タンクバルブの形状は主に2種類あります。

  1. ヨークシステム
  2. DINシステム

一般的に我々がダイビングで使っているのはヨークシステムです。

4-1. ヨークシステム

ヨークシステムは、日本でいつものダイビングで使用している一般的な形です。形にはKとJがあり、現在はKが使われています。

Jバルブは昔主流だったタイプです。Jバルブが設計されたのは、空気が少なくなったことをダイバーに警告する為です。しかし、現在では一切使われていません。

4-2. DINシステム

Dinバルブ

DINシステムは、レギュレーターのファーストステージを付ける箇所がねじ込み式になっているタイプです。

ファーストステージをくるくる回してネジみたいな感じでバルブに取り付けます。こちらの方がより確実にタンクに取り付けられるというメリットがあります。ヨーロッパ系のダイバーでDINを使っている人はけっこういますが、日本ではまず使いません。

 

5. バーストディスク

バーストディスク

全てのタンクでは、これ以上重充填してはいけないという常用圧力が決まっています。

この常用圧力を誤って超えないように、タンクバルブによってはバーストディスクがついています。バーストディスクはガスケットに納まった薄い銅板と放出孔の付いたプラグからできています。

5-1. バーストディスクが作動するとき

タンク内の圧力が、常用圧力のおよそ140%まで上昇するとバーストディスクが破裂し、プラグの放出孔から空気が抜けるようになっています。

そもそもでが、バーストディスクは間違ってタンクを過充填してしまったことから起きる事故の防止よりも、誤って熱したときのダメージによる事故を防ぐことが目的です。

例えば真夏の炎天下の車内などで、タンクを過熱すると(もしくはしてしまった)場合、タンク内の内部圧力は上がり、常用圧力を超えてしまう場合があります。

そういった場合に、タンクが破裂せずにバーストディスクが破裂するようになっています。

また、バーストディスクは金属疲労が原因で低い圧力での破裂の恐れがあるので、1年単位で交換するべきだと言われています。

最近のバーストディスク

以前までのバーストディスクは破裂すると、勢いでタンクがくるくると回転してしまうデメリットがありました。

しかし、最近のバーストディスクは90度直角で横方向になったり、色々な方向に抜けるように設計されて、タンクが回転しないようになっています。

 

6. タンクの刻印

タンクの刻印

タンクの刻印は製造番号、金属材質、常用圧力などが書かれています。

しかし、これらはタンクや国によって結構違いますので、専門的な人以外はある程度知っておけば大丈夫だと思います。

  • タンク内容量:V10.3
  • 製造時検査日:5-99(1999年五月)
  • 常用圧力:FP200

だいたいこんな感じで書かれていると思います。

 

7. タンクの検査関係

タンクの検査関係

タンクは定期的に検査が必要です。

  • 視認検査
  • 耐圧検査

検査にはこいった種類があります。

7-1. 視認検査

年1回の視認検査が基本条件になります。

音がするとき、腐食が見られたときは必ず行います。

視認検査の必要性としては、外側の傷を調べたり、内部の腐食状態を確認する、タンクのバルブのネジ山との電蝕発生を防ぐといったためです。

視認検査では基本的に、タンクのダメージや腐食を内側と外側両方から調べます。

検査技師は、タンクのブーツやバンド類などダメージが隠れている可能性があるものを全て外して、特殊なライトや鏡などの道具を使って検査します。

タンクのバルブや金属の間で電蝕が起きないように、ネジ部分や金属部分を潤滑したりしてメンテナンスします。

7-2. 耐圧検査

耐圧検査は、水による耐圧検査を行います。

これを ”ハイドロスタティック・テスティング” と呼びます。

日本では5年に1回します。

耐圧検査では、タンクに水を入れて、更に水の入った水槽に入れます。

そして、タンクに常用圧力を3分の5倍かけておこないます。

また、タンクが82℃以上の熱にさらされたときも耐圧検査をしないといけません。

7-3. 他、検査が必要なとき

その他で検査が必要になるケースです。

  • タンク内ではがれるような音がする
  • レギュレーターの給気口フィルターに赤緑色のものが溜まってきた
  • 常用圧力を超えて、かなり過充填したとき
  • タンクを2年以上使用していないとき
  • タンクに何か問題がありそうな感じがするとき

このような場合は検査を受けるようにします。

 

8. ナイトロックス・エンリッチドエアー専用のタンク

ナイトロックス・エンリッチドエアー専用のタンク

一般的に、標準エアーのタンクとナイトロックス用のタンクは分けて使います。

ナイトロックス用のタンクには、派手に目立つように緑と黄色で「エンリッチドエアー」「ナイトロックス」などと書かれたステッカーが貼ってあります。

また、サービスによってはステッカーに充填日、酸素割合、使用者の名前、圧力、最高深度、などを明記するショップもあります。

 

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そんな感じで、ある程度ダイビングのタンクについては理解できたのではないかと思います。

また、これからインストラクター試験を受ける可能性がある人は、タンクについてはかなり出題されると思いますで、しっかりと知識をつけておくといいと思います。

では。