部長です。
水中でストロボをマニュアルで使う設定と使い方についてです。
最近ダイビングでストロボを使い始めたり、これからマニュアルで撮影しようと思っている人の中には、詳しいストロボやカメラの設定について知りたい人も多いと思います。
こういった設定やテクニックについては調べても以外と出てこないですからね。
そこで本記事は、マニュアルでストロボを使う設定や使い方について書きました。
マニュアルを極めて写真家並みの水中写真を撮りたい人は、参考にしてください。
水中でストロボをマニュアルで使う設定と使い方
では早速ですが、水中でストロボをマニュアルで使う設定や使い方について解説していきます。
五月雨式に文章を書きまくると分かりにくいので、以下の要点について書いていきます。
マニュアルでのストロボの使い方
- そもそもストロボのマニュアルとは
- ストロボとカメラを繋ぐ
- カメラ側の設定
- ストロボの設定
- マニュアルが効果的な撮影
こういった感じで解説していきます。
まだ慣れていない人は、マニュアルでのストロボの使い方がとても難しいように思っていて、複雑に考えすぎている人が多いです。。
が、結論からすると、マニュアルでストロボを使うのはシンプルで実際は意外と簡単です。
なので難しく考えすぎずに、一旦ゼロから覚えましょう。
1. そもそもストロボのマニュアルとは
まず最初に、そもそもストロボのマニュアルとは何かについて書いておきます。
基本的なマニュアルの概念について理解すれば、80%はストロボをマニュアルで使えるようになっているはずです。
ストロボのマニュアルとは、カメラ本体のフラッシュ発光量には関係なく、ストロボを自分の任意の発光量に設定して使います。
例えば、ストロボの光量が10段階のうち、任意で5の発光で使う感じです。
つまり、カメラ本体のフラッシュの発光量には関係なく自分の使いたい光量に調節できます。
もっと分かりやす言うと、以下になります。
- カメラ本体の発光量が10でも、ストロボが5なら5の発光
- カメラ本体の発光量が1でも、ストロボが5なら5の発光
こういった感じです。
つまりストロボには、最低限の発光量だけ伝えてあげれば、任意で設定したストロボの光量が発光されるわけです。
したがって、カメラをどのモードで撮っていても、ストロボがマニュアルになっていればストロボで設定した発光量になります。
2. ストロボとカメラを繋ぐ
↓多くの場合こんな感じで、光ファイバーケーブルでカメラとストロボを接続します。
これはつまり、カメラ本体のフラッシュが発光し、その光が光ファイバーケーブルに伝わり、ストロボが発光を感知して光る仕組みになっています。
つまりストロボをマニュアルで使う場合には、カメラ本体のフラッシュの役割はストロボに発光のタイミングを知らせるだけの光です。
3. カメラ側の設定
上記の説明により、ストロボをマニュアルで使う場合には、カメラ本体のフラッシュ発光は最低限で大丈夫だと理解したと思います。
次は、カメラ本体のフラッシュを調節していきます。
多くの場合、カメラのフラッシュをオンにすると、カメラが自動的にオートでフラッシュの発光量を決定します。
それでも問題は無いのですが、そもそもストロボがマニュアルの場合はカメラ本体のフラッシュを大光量にする必要はありませんので、できる限りカメラ本体のフラッシュは最小にします。
そうした方が、カメラのバッテリーの節約になるのと、カメラのフラッシュのチャージ待ちが短くなりますので、次のシャッターが早く切れるようになるからです。
3-1. オリンパスのコンデジ
オリンパスのカメラでマニュアル発光ができる場合は、一番低い光量に設定します。
このカメラはXZ-2ですが、マニュアル発光で1/64が最も少ない光量になりますのでそれに合わせます。
※(フラッシュがポップアップする機種はポップアップさせてからじゃないと設定できません)
TG-6なども同じように設定します。
3-2. ソニーのコンデジ
ソニーのコンデジやミラーレスの場合は、フラッシュのマニュアル発光はありませんので、調光補正をマイナスにします。
上のカメラはRX100M5になりますが、-3にします。
3-3. ニコンの一眼レフ
ニコンの一眼レフだと、更にマニュアル発光で光量を落とせます。
私の場合はD7200は1/64にしています。
こうすることによって、カメラ本体のフラッシュ発光量を最も少なくできます。
基本的にはコンデジでも一眼でも同じなので、ストロボをマニュアル発光で使う場合には、カメラのフラッシュはマニュアル発光で最小、もしくは調光補正で最小にします。
4. ストロボの設定
次は、ストロボ側のダイアルを操作してマニュアル発光させる光量を決めます。
この作業は、光量を決めるだけなのでとても簡単です。
が、撮影する被写体によって適度な光量は違いますので、撮影してみて暗ければ明るくする、明るければ暗くします。
4-1. SEA&SEA YS-D2
シーアンドシーのストロボで、YS-D2の場合は左側ダイアルのスイッチをマニュアルにします。
基本的には雷マーク一つの方のマニュアルで大丈夫です。
と言うのも、カメラ本体のフラッシュをマニュアル発光にしている時点でプリ発光はしないはずなので、雷マーク二つのプリ発光マニュアルは使いません。
右側のダイアルでストロボの発光量を調節します。
上の写真だと、右側のダイアルの上半分はTTL時のダイアル、下半分はマニュアル時のダイアルになります。
なので上の写真で言うと、現在マニュアルモードで光量は8になっています。
4-2. INON S2000
イノンのS2000の場合、マニュアルのスイッチは左側のダイアルで水色でMと書いているところです。
※黄色はTTLになりますので、間違えないでください。
S2000の場合、マニュアルは水色になりますので右側の光量調節ダイアルも水色を見ます。
-5.5側にすると最も小さい発光で、FULL側にすると大きい発光になります。
つまりマニュアルの場合、-5.5が最小発光、FULLが最大発光になります。
ちなみにですが、S2000でマニュアル発光で使う場合はアドバンスドキャンセル回路に付属の磁石を入れます。
↓下の写真で言うと、六角のネジの部分です。
磁石とフタをする六角のネジは、S2000を買ったときに付属で入っています。
簡単に説明すると、アドバンスドキャンセル回路はTTLなどで撮影する人のものなので、カメラもストロボもマニュアルで撮影する人には必要ないので、磁石を入れて回路をオフにします。
つまり簡単にまとめると、マニュアルで使う場合とりあえずここに付属の磁石を入れておけば、S2000は本発光で正しく動作します。
5. マニュアルが効果的な撮影
ストロボをマニュアル発光にすることで、効果的に撮影できる場合はかなり多いです。
例えば、ワイドで下から上にアオって撮影する場合です。
このような場合、ストロボをマニュアル発光にすることで、しっかりと被写体に光を当てながら撮影できます。
↓こんな写真になります。
一方で、このように下から上にアオって撮影する場合、マニュアルではなくTTLオートにしておくと、ほとんどの場合暗めの写真になります。
↓こんな感じ。
このようにTTLオートで撮影すると暗くなる場合が多いです。
この理由としては、カメラを水面に向けて撮影する場合、水面が明るいのでカメラは全体的にその場所は明るいと判断します。
その結果、カメラのフラッシュは微弱発光になり、ストロボからも弱い光しか出ません。
なので、こういったシチュエーションではストロボをマニュアル発光にして、被写体に当てる光量をコントロールした方がキレイに撮影できます。
↓マンタを撮るときなんかも、ストロボはマニュアル発光にしておいた方が撮りやすいです。
また、マクロの撮影でも決定的瞬間にカメラ本体のフラッシュのチャージ待ちでシャッターが切れないなんてこともあります。
なのでカメラのフラッシュは小さくしておけばチャージまで早いので、クイックに撮影できますので、ストロボをマニュアルにしておくのは効果的です。
ストロボのマニュアルはすぐ慣れる
ストロボをマニュアルで使うのは、けっこうすぐに慣れます。
と言うのも、もう一度シンプルに考えると以下になります。
- 暗かったらストロボを明るくする
- 明るかったらストロボを弱くする
以上です。
基本的にストロボの操作はこれだけなので、とても簡単です。
これまでストロボをマニュアルで使ったことが無い人の多くは、とにかく難しく考えていることが多く「マニュアル=難しい」と固定概念が凝り固まってしまっているパターンも多いです。
なので、そういったことを一度考えずに食わず嫌いはやめて、マニュアルでの撮影をしてみるといいです。
カメラの使い方もしっかりと覚える
ストロボのマニュアルでの撮影を覚えるのも大事ですが、カメラの使い方もしっかり覚えましょう。
例えば、絞り優先で撮影している人は本当に絞り優先を理解しているのかどうかです。
ほとんどのカメラの場合、絞り優先だとF値の他にISOも変えれます。
つまりF値を指定して、ISOも低く指定した場合シャッタースピードがオートになりますので、場合によってはシャッタースピードが足りずに被写体ブレします。
一方でISOをオートにして上限1000くらいにしておけば、ISOにも猶予を与えつつシャッタースピードを稼げます。
なので、そういった感じでカメラの設定も調整しつつ、ストロボの光量をうまく調整しながら撮影すると上手にコントロールできます。
ストロボやカメラの設定は大幅には変えない
ちなみに、具体的なテクニックの部分も少し書いておきます。
写真が上手な人や、カメラもストロボもマニュアルで撮影している人の多くは、一つの被写体でそこまで大きくコロコロと設定を変えたりしないです。
例えばざっくりですが、マクロの撮影で撮り始めが以下の設定だったとします。
「マニュアル、F6、SS100、ISO100 ストロボ光量8」
まず最初に、ボカしたいので絞りは開放気味のF6、ISOは画質を優先したいのでだいたい100くらい、SSも100から始めようみたいな感じで始めます。
で、撮影してみて写真の様子を見ながら少しずつ設定を変える感じです。
イメージ的には上下3段階程度の設定の調整範囲です。
そういった感じで、ストロボの明るさも上下3段階も調節すればいい感じになると思います。
まだ慣れていない人は、すごく複雑に操作して難しいイメージだったかもしれませんが、意外と調整の幅は少ないです。
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そんな感じで、ストロボをマニュアルで使う設定と使い方についてでした。
今までTTLオートだった人も、積極的にマニュアルでの撮影にチャレンジしましょう。
慣れたら光をコントロールできるようになって、ちゃんちゃらナウい写真が撮れます。
では。