部長です。
ダイビングで写真を撮るとき、ストロボやライトを使っている場合はカメラの水中モードをオフにするといいです。
最近水中写真を始めたり、カメラを始めた人の中には、どのモードで撮影すればいいのか、ライトやストロボを使うときはモードはどうしたらいいのか気になっている人も多いと思います。
そこで本記事では、水中で写真を撮るときにライトやストロボを使っている場合のモードについて書きました。
水中モードなど、基本的な概念を理解したい人は参考にしてください。
ストロボやライトを使うとき水中モードはオフにする【カメラ】
ということで早速ですが、解説していきます。
まず、カメラのホワイトバランスで水中モードを使う場合と、使わない場合は以下になります。
水中モードのオンオフ
- ストロボ・ライト使用 → 水中モードオフ
- カメラ単体で撮る → 水中モード
こういった感じです。
ストロボ・ライト使用 → 水中モードオフ
まず基本的に、カメラにストロボやライトを装着している場合は、水中モードをオフにします。
その理由としては、結論からすると赤味が強くなりすぎたり、不自然な色になるからです。
なので水中モードをオフにして「晴れモード」や「自然光モード」にするといいです。
– 水中モードとは
そもそも、カメラの水中モードとは水中で失われる色(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)をカメラが自動的に補正してバランスをとって最適にしてくれるモードです。
なので簡単に言うと、水中で赤・橙などの色が失われますので、カメラが自動的に失われた色を補正しているのです。
なので、基本的には水中でストロボやライトを使わなくても、カメラが色を補正してくれます。
そのため、ライトやストロボを使わなくても、そもそもキレイに水中で撮影できるモードなわけです。
– ストロボ・ライト使用時
水中モードでは、上記の説明の通り水中で失われる色が自動的に補正されます。
しかし、そこにライトやストロボを使って更に色を足していくと、カメラの色補正+ストロボの色が加わりますので、カメラが補正した色より濃くなります。
つまり、カメラは水中モードでそもそも色を調整しているのに、更にストロボやライトで色を乗せることになります。
↓例えば、以下はTG-4の水中モードでイノンのストロボを使って撮影した写真です。
この写真、かなり赤っぽいのが分かりますかね。
これはつまり、水中モードでそもそも補正されてるのに、ストロボの光を照らしているので、余計に補正されている赤などの色が強く写るのです。
このようにして、水中モード+ストロボを乗せていくと色味が赤くなったり、色のバランスがおかしくなったりします。
もちろん、マクロ生物の撮影も同じで、水中モードでストロボなどを使うと色味が少し変な感じになります。
以下はオリンパスTG-6の水中モードのサンプルです。
オリンパスのTG-6には、3つの水中スナップモードがあります。
上記の写真の砂地の部分を見て分かりますが、浅瀬では光が入るので強い補正は要らないのでカメラの赤味は薄いです。
一方で、ディープモードでは深場なので赤味を多く補正する必要がありますので、最も赤っぽい写真になっているのが分かります。
このように、TG-6を参考にしても水中モードでは赤が多く乗ることが分かると思います。
– 晴れモードがベター
こういったことから、水中でストロボやライトを使用する場合は、カメラの水中モードをオフにして「晴れ」などにするといいです。
そもそもですが、ストロボやライトの光は太陽光に近い光になります。
そのため、ストロボやライトを使用している時点で、太陽光に近い光で撮影しているのと同じなので、カメラのモードは「晴れ」などが理論的には最適となります。
もちろん、晴れモードでないといけない理由はありませんので、自分の好きなモードで撮影してもいいと思ます。
ただ、理論的に考えても太陽光に近い光で撮影しているのであれば、モードは晴れがベストで、最もナチュラルな色味で撮影できると考えられます。
水中で色々と変えてみると分かりますが、意外としっくりくるホワイトバランスのモードはあまりなく、結局晴れを使うことが最も多いです。
ちなみに、太陽光は5000ケルビン~6000ケルビンですので、ダイビングで使うライトやストロボとほぼ同じです。
また、多くのニコンやキャノンの一眼レフには水中モードはありませんので、ほとんどの一眼ユーザーは「晴れ」「自然光」などで撮影してます。
カメラ単体で撮る → 水中モード
カメラ単体で使用し、ライトやストロボを一切使用しない場合はホワイトバランスを水中モードにするといいです。
↓例えば、以下は私がパラオで撮影した写真です。
どうでしょう?
青かぶりせずに、色が出てキレイに撮れてますよね。
これがホワイトバランス水中モードの恩恵です。
この写真を撮影したカメラは、ソニーRX100M5でホワイトバランスは水中モードで、イノンワイドコンバージョンレンズUWL-H100 28M67で撮りました。
もちろんライトやストロボは使っていません。
↓水深12mくらいでもこれくらいキレイです。
こんな感じで、カメラ単体で撮影するときは水中モードにするといいです。
カメラ単体で水中モードで撮影する場合、特に有利になるのは太陽光の届く水深15m以内くらいです。
太陽光の届く水深であれば、水中モード+ナチュラルに色が出ますのでとてもキレイに撮影できます。
なので、カメラ単体で水中モードで撮影したい人は、水深が浅い場所で最も効果を発揮すると覚えとくといいです。
逆に深場に行って青かぶりしてしまっても、そればストロボが無いので仕方ないです。
カメラ単体は深場に弱い
もちろん、潜っている海の透視度や水深によっても変わりますので、永久に水中モードが通用するわけではありません。
当然ですが、水深が深くなればなるほど色が吸収されますのでカメラの水中モードでは追いつかなくなり、ストロボやライトの光源が必要になります。
↓ちなみに、水深25mではこんな感じです。
このバラクーダはパラオのブルーコーナーですが、水深25mくらいまで来るとさすがに水中モードでも青かぶりしました。
ま、青かぶりしてても我ながら芸術的な一枚ですが。w
ちなみに、私はカメラの内臓フラッシュを使っていないので、内臓フラッシュがあるカメラの人はもっとキレイに色が出たと思います。
もちろんですが、こういった場合はストロボ二灯が最もキレイに撮れます。
↓こんな感じで。
必ず水中モードでなくてもOK
ちなみにですが、水中で写真を撮るからといって必ず水中モードにしなければいけないわけではありません。
例えば、↑上の写真はRX100M5のホワイトバランスは晴れのまま撮っています。
こんな感じで、水色っぽい海水も美しいので晴れのまま撮影しています。
このあたりの感覚は好みなので、水中で色々と試して自分の好きな写真を撮るといいです。
大事なのは色々と試すこと
ダイビングで上手な写真を撮るために大事なのは、水中で一度落ち着いて色々と試してみることです。
水中に入ったからと言って、テンションマックスで手当たり次第撮りまくるのではなく、一旦冷静に「このシチュエーションだったらこう撮ろう」と考えます。
そうやって、自分の使っているカメラや有利に撮れる環境を分かってくることで写真は上達します。
「これは自分には有利なのでうまく撮れる。」
「これは自分のカメラシステムには不利だな」
などがだんだん分かって来ます。
逆に、不利な立場やシチュエーションで取ろうとしても難しかったりします。
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そんな感じで、ダイビングで写真を撮るときストロボやライトを使う場合は、カメラの水中モードをオフにしましょう。
写真の撮り方に正解はありませんが、今のところそれが最もキレイに撮れます。
では。