部長です。
ダイビングや水中写真撮影で使う一眼で、一眼レフかミラーレス一眼どちらにすべきか解説します。
これから初めてダイビングの一眼を買う場合、どちらにするか悩むところだと思いますが、ポイントをおさえておくと選びやすくなります。
ダイビングで一眼レフとミラーレス一眼どちらにすべき?
結論を先に言っておくと、一眼レフでもミラーレス一眼でも、正直どちらでも大丈夫です。
撮影して仕上がる写真に大差はなく、どちらでも美しい水中写真を撮影することができます。また、購入コストの面でもあまり差はありません。
ただし、一眼レフとミラーレス一眼ではおさえておくべきポイントがいくつかあるので、今回はそれを紹介します。
私の意見としては水中で使うことが目的で、カメラ本体の重さが気にならないのであれば、メリットが大きい一眼レフを選びます。私の場合、水中ではニコンD810とニコンD7200、APS-Cのミラーレス一眼でソニーα6000もたまに使います。
また陸上の仕事でも一眼レフとミラーレス一眼の両方を使っているので、どちらも使った感想をお伝えできればと思います。
一眼レフで知っておくポイント
■カメラの重量
一眼レフでおさえておくべきポイントは一つだけあり、それは「カメラ本体が大きくて重い」ということです。それ以外にデメリットはありません。
例えばフルサイズ一眼レフでニコンD850は1キロ、キャノン5D Mark IVは890gです。それに対してミラーレス一眼のニコンZ7は675g、キャノンR6は680g、ソニーα7Ⅲは650gとミラーレス一眼の方が圧倒的に軽いです。その結果、ハウジングなども小さくなり陸上でカメラシステムを持ったときに軽いです。
とは言え、カメラ本体が重いからといって水中での重量が重くなるわけではありません。各ハウジングメーカーは水中重量も計算してハウジングを設計しているので、水中重量は一眼レフでもミラーレス一眼でもスタートは同じだと思って大丈夫です。基本的に水中重量は使用するライトやストロボ、アクセサリー類に影響されるので、あとから好みの水中重量になるように調節します。
■バッテリーが長持ち
一眼レフはバッテリーが非常に長持ちするので、連日ダイビングをする場合は毎日充電しなくてすむのでとても楽です。毎日ハウジングを空けてカメラを取り出さなくてすむので、その結果メンテナンスの回数が減り水没リスクも少なくなります。
例えばニコンD850だと約1840枚撮影することができますが、Z7だとファインダー使用で約330枚、モニター使用で約400枚しか撮影することができません。つまり連日潜る場合やかなりの枚数を撮影する場合、ミラーレス一眼だと毎日ハウジングからカメラを取り出して充電しなければいけません。
■レンズの選択肢
レンズの選択肢が多いという点でも一眼レフに軍配が上がります。やはりこれまでは一眼レフが主流だったので、各メーカーから多くのレンズが発売されていて、好みに合わせて選択することができます。ミラーレス一眼はこれからだと思いますが、やはり一眼レフに比べるとレンズの選択肢が少ないです。
■ファインダーが見やすい
一眼レフは、ファインダーを覗くと中に入っている鏡(レフ)を通して実際の景色を見ています。そのため当然ですが肉眼で見ている景色と変わらない光景を見ながら撮影するのでクリアで見やすいです。一方でミラーレス一眼の場合は、ファインダーの中に入っているモニターを見ているので、一眼レフに比べると少し見にくいと感じます。
一眼レフカメラのメリット
- 電池が長持ちで、毎日使っても5日はもつ
- ファインダーから実際の景色を見るのでクリアで見やすい
- レンズの選択肢が幅広い
- 機種の選択肢が幅広い
一眼レフカメラのデメリット
- D850、キャノン5D Mark IVなどのハイアマチュアクラスは本体が重い
- 105ミリ、100ミリ相当のマクロレンズが重い
- 撮影前に撮影後の仕上がりをディスプレイで見られない
ミラーレス一眼で知っておくポイント
■バッテリーの減りがとても早い
ミラーレス一眼で最大のデメリットは、バッテリーの減りがかなり早いことです。ミラーレス一眼は一眼レフと違って全て電子制御されているので、その結果バッテリーの減りが早くなります。
一日3本潜って写真撮影をする場合、バッテリーが1日持つか持たないかギリギリのところです。かなり撮影する人は一日持たないと思っておきましょう。連日潜る場合は毎日ハウジングを空けてカメラのバッテリーを交換することになり手間がかかります。
大型連休などで連日潜る場合、バッテリーが一日しか持たないのは手間の面で相当なデメリットです。また、ハウジングを開ける度にそれだけメンテナンスミスによる水没リスクも発生します。
例えばニコンZ7、キャノンRなど最新型のミラーレスでもカタログ値で370枚~450枚の撮影でバッテリーが切れます。つまり水中で多く撮影する場合、1日持たない可能性があります。特にマクロの場合は撮影枚数が多くなることが多いので、ミラーレスを使う場合バッテリー残量ばかり気にする羽目になります。一方でニコンの一眼レフでニコンD850だと約1840枚撮影することができます。
■カメラが小さくて軽い
ミラーレス一眼で最大のメリットとしては、カメラ本体が小さくて軽いということです。当然ハウジングやカメラシステムが一眼レフに比べてコンパクトになります。
カメラ本体が軽くて小さいので、ダイビング以外でも持ち歩くようになります。例えばD850などの一眼レフは大きくて重いので、プライベートで持ち歩くことが少ないです。(私の場合)しかしミラーレス一眼の場合は軽くてコンパクトなので、外出するときに持って行くことも多いです。普段使いや旅カメラとしても使いたい場合、ミラーレスの方が有利です。
■撮影が容易
もう一点ミラーレスの良い所を上げるとすれば、モニターで仕上がりを撮影しながら撮影することができる点です。ミラーレス一眼の場合、常にディスプレイに仕上がりが表示されている状態なので、モニターを見ながら明るさを調節して撮影できます。カメラの設定を明るくしたり暗くする度にディスプレイにそのように映し出されます。
■レンズの選択肢
一眼レフに比べるとレンズの選択肢が今のところ少ないです。
ミラーレス一眼のメリット
- 軽い
- コンパクト
- 持ち運びやすいので旅行などにぴったり
- モニターで仕上がりを確認しながら撮影できる
ミラーレス一眼のデメリット
- 電池の減りがかなり早い、一日もたない
- レンズの選択肢が少ない
- ファインダーの中はモニターを見ているので少し見にくい
具体的におすすめの機種とレンズ、ハウジングなどの組みあわせは以下の記事をどうぞ。
フルサイズとAPS-Cどちらがおすすめ?
一眼レフ、ミラーレス一眼ともにフルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの選択肢があります。またはオリンパス、パナソニックのフォーサーズです。
基本的に写真がメインの場合はフルサイズの方が有利な点が多いので、フルサイズを選ぶことをおすすめします。
簡単に説明すると、フルサイズは画角が広く、よく背景がボケて明暗差が滑らかな写真を撮ることができます。基本的にカメラはセンサーサイズの大きいフルサイズがベストです。最近人気のいわゆるメルヘン系で背景がボケまくった写真を撮りたい場合もフルサイズの方が有利です。
とは言え、フルサイズ機はAPS-C機に比べて値段がかなり高額です。金銭的に余裕がある場合はフルサイズを選んだ方がいいと思いますが、コストを重視したい場合はAPS-C機を選ぶのも一つの手です。
動画撮影
動画撮影においてはフルサイズよりも小さいセンサーの方が有利なことが多いです。動画をメインで撮影する人は逆にフルサイズではなくAPS-Cやフォーサーズでも大丈夫です。
その理由としては、フルサイズだと逆に背景がボケ過ぎるので見にくい動画となってしまうことが多いからです。アーティスティックな動画の撮影を除き、一般的に動画撮影では全体的にパリッとしていて見やすいことが求められます。
例えばテレビの映像や映画では背景が分からないくらボケている映像は基本的にあまり使いません。水中でも同じで、魚の生態、水中の景観を撮影する場合は背景のボケよりも見やすさを重視します。
代表的な例で言えばソニーのビデオカメラで、FDR-AX700、HXR-NX80などのハイエンド向けビデオカメラでも1型のセンサーが使われています。その方が被写体とその周りをハッキリと動画に納めることができるからです。
≫参考:SONY|AX700 – 動画クリエーターにオススメしたい5つの魅力
ちなみに上の画像は、左からフルサイズミラーレス一眼、APS-Cミラーレス一眼、オリンパスTG-4です。
まとめ
ということで今回は以上です。
基本的に一眼レフでもミラーレス一眼でも問題ありません。ただ私のこれまでの経験からすると、水中で使うことだけを考えれば一眼レフの方がシンプルで使いやすい気がします。前述しましたが、一眼レフの方がバッテリーが長持ちでファインダーが見やすいです。
水中で使うのがメインの場合、陸上での重さはそこまで重視する必要がありません。旅カメラや普段使いで水陸両用の場合はミラーレスの方がいいかもしれません。私は仕事で一眼レフもミラーレスも使いますが、同じフルサイズであればミラーレスの方をよく使います。
結局は好みの問題なので好きな方を選びましょう。
↓こちらの動画も参考にどうぞ。
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