部長です。
水中写真やダイビングで使うおすすめの一眼レフ、カメラの選び方や具体例を解説します。
これからダイビングで一眼を使おうと考えている人の中には、どのような組み合わせでどのメーカーの一眼を使えばいいのか気になる人も多いのではないでしょうか。今回は最も人気で多くの人が使っている一眼とレンズの組み合わせなどを紹介します。
1. 水中写真やダイビングでオススメの一眼とカメラの選び方
最初に、おすすめの一眼メーカーは以下のとおりです。
おすすめの一眼
- 一眼レフ:ニコン・キャノン
- ミラーレス:ソニー・オリンパス・ニコン・キャノン
これらのカメラはダイビングで一眼を使っているダイバーの中で多く使われていて人気です。一眼の機種やレンズのラインナップも多いので、幅広い組み合わせで撮影シーンに合わせて使うことができます。
各ハウジングメーカーも大手カメラメーカーの一眼をメインとしてハウジングを製造しています。これから初めてダイビングの一眼を買う場合、これらのメーカーから発売されているカメラにしておけば大丈夫です。
1-1. 一眼の選び方
ダイビングで使う一眼を選ぶときは、ハウジングが発売されているカメラを選ぶことが大前提です。
理由としては簡単で、ハウジングが発売されていないカメラを買っても水中で使うことができないからです。ハウジングメーカーは色々ありますが、まずは自分の使いたい一眼のハウジングが発売されているかを確認します。
カメラの機種に関しては、自分の好きなものを選べば大丈夫です。
なぜかと言うと、一眼レフであればどの機種でもある程度美しい水中写真は撮影できるからです。どのカメラでもストロボを二灯使ったりライトを使ったりして撮影することができます。
極端な話、最新モデルのフルサイズ機を買ったからといって、ある日突然劇的に水中写真がプロレベルになることはありません。例えば、フォトコンでグランプリになる人や、インスタの写真が超絶上手な人でも、別に最高級のカメラを使っているわけではないです。やはりそこは撮影のスキルやセンスの問題なのでカメラかどうかはあまり関係ありません。
ただ、「どうせ買うなら値段は気にしないし、将来後悔したくないので最新でフルサイズのモデルを選んでおく。」といった考え方はアリです。またフルサイズ機は値段がかなり高いです。そのため、コスパを重視してAPS-Cの機種にしておくのも一つの手です。
ただし私もそうでしたが、最初にAPS-C機を買って将来的にフルサイズ機が欲しくなることもあるので、初めてダイビングの一眼を買う人は、そのあたりも考慮しておきましょう。
1-2. センサーサイズ
理想的な一眼のセンサーサイズはフルサイズです。
APS-C機に比べると、フルサイズのセンサーサイズは2倍も大きいです。そのため、フルサイズでは以下の点が有利になります。
- 画角
- ボケ量
- 階調・ダイナミックレンジ
- 暗所性能
簡単に説明すると、フルサイズの方が広画角でよくボケて明暗差が滑らかです。
例えば上の画像はソニーのフルサイズ機α7Ⅱで撮影した写真です。この写真を見ると分かると思いますが、空、ライト、影、明暗差(ダイナミックレンジ)の感じが、とても滑らかで美しいと感じると思います。
フルサイズのセンサーだと、このようにして階調の表現が豊かです。
こういった部分では、APC-C機やフォーサーズ機などはフルサイズに勝てません。フルサイズとAPS-Cの違いについては、ソニーのサイトが分かりやすいので参考にしてください。≫SONY|フルサイズとAPS-Cの違い
※ちなみにカメラ本体、レンズを購入する場合は楽天だとかなり安く買えてポイントも還元されるのでおすすめです。間違ってもダイビングショップで定価などで買わないように気を付けてください。
2. 一眼レフ:ニコン・キャノン
一眼レフカメラは、ニコン、キャノンのどちらを選べば大丈夫です。
ワイドレンズ、マクロレンズの選択肢も広く、ハウジングやポートもほとんどのメーカーはニコンとキャノンの一眼レフ用に設定しています。
どうしてもニコン、キャノン以外の一眼レフを使いたい場合はそれでもいいと思いますが、ハウジングやポート、レンズのラインナップが少ないので選択肢がかなり限られます。そういった面から考えても、ニコン、キャノン以外の一眼レフを使うメリットは少ないと言えます。
2-1. 一眼レフ ニコン
メジャーなニコンの一眼レフとレンズは以下のとおりです。使用するレンズはハウジングメーカーとポートの組み合わせによって変わります。リストのリンクは楽天で中古も検索可能です。
カメラ本体
レンズ ワイド
- ニコン AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED
- ニコン AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
- ニコン AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
- シグマ 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE
- トキナー AT-X 107 DX Fisheye(フルサイズ15mm以上で使用可)
レンズ マクロ
ハウジング
※APS-C機の場合、レンズ表記の画角より約1.5倍になります。
カメラはフルサイズ、APS-Cどちらでも問題ありませんが、金銭的に大丈夫な場合はあとで後悔しないようにフルサイズにしておくことをおすすめします。私はD810とD7200を使っています。
ワイドの場合、多くの人が最もよく使うフィッシュアイレンズは「NIKKOR 8-15mm」「シグマ15mm」「トキナー AT-X 107」あたりです。プロ志向の人は「NIKKOR 14-24mm」を使う人もいますが値段が信じられないくらい高いです。APS-Cの場合、「シグマ15mm」「トキナー AT-X 107」をよく使います。
マクロの場合、フルサイズだと105mm、60mmを両方よく使います。APS-C機でマクロの場合、焦点距離が1.5倍になるので60mmを90mmとしてメインで使います。
2-2. 一眼レフ キャノン
メジャーなキャノンの一眼レフとレンズは以下のとおりです。使用するレンズはハウジングメーカーとポートの組み合わせによって変わります。リストのリンクは楽天で中古も検索可能です。
カメラ本体
- フルサイズ:EOS 5D Mark IV・EOS 6D Mark II
- APS-C:EOS 7D Mark II・EOS 80D
レンズ ワイド
- キャノン EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM
- シグマ 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE
- キャノン EF16-35mm F2.8L III USM
- トキナー AT-X 107 DX Fisheye(フルサイズ15mm以上で使用可)
レンズ マクロ
ハウジング
※キャノンのAPS-C機の場合、レンズ表記の画角より約1.6倍になります。
2-3. 一眼レフカメラのメリット
- 電池が長持ちで、毎日使っても5日はもつ
- ファインダーから実際の景色を見るので見やすい
- レンズの選択肢が幅広い
- 機種の選択肢が幅広い
2-4. 一眼レフカメラのデメリット
- D850、D810クラスのハイアマチュアモデルは本体がかなり重い
- 105ミリ、100ミリ相当のマクロレンズが重い
- 撮影前に撮影後の仕上がりをディスプレイで見られない
3. ミラーレス一眼:ソニー・オリンパス・ニコン・キャノン
最近ではこれまで人気だったオリンパスに加えて、ソニー、ニコン、キャノンなどの選択肢も増えました。
ミラーレス一眼の最大のメリットは、カメラが軽くてコンパクトなことです。ハウジング自体も一眼レフに比べて小さいので、コンパクトさと軽さを重視したい人にはおすすめです。
3-1. ミラーレス ソニー
メジャーなソニーのミラーレス一眼とレンズは以下のとおりです。使用するレンズはハウジングメーカーとポートの組み合わせによって変わります。リストのリンクは楽天で中古も検索可能です。
カメラ本体
レンズ ワイド
- Sony SEL1224GM
- Sony SEL1224G
- Sony SEL1635GM
- Sony SEL16F28
- Sony SEL16F28 + VCL-ECF2(フィッシュアイ)
- Sony SEL16F28 + VCL-ECU2(広角)
レンズ マクロ
ハウジング
※APS-C機の場合、レンズ表記の画角より約1.5倍になります。
ワイドの場合、でフィッシュアイを使う場合「Sony SEL16F28+VCL-ECF1/ECF2」、広角ズームの場合「SEL1224GM」あたりよく使われます。マクロの場合、フルサイズだと「SEL90M28G」あたりが使いやすいレンズです。
3-2. ミラーレス オリンパス
メジャーなオリンパスのミラーレス一眼とレンズは以下のとおりです。使用するレンズはハウジングメーカーとポートの組み合わせによって変わります。リストのリンクは楽天で中古も検索可能です。
カメラ本体
マイクロフォーサーズ:E-M5 Mark II・E-M10 Mark III・E-M1 Mark II・E-M10 Mark II・OM-D E-M1Marl Ⅳ
レンズ ワイド
- M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO(16ミリ)
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0(24ミリ)
- M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8(34ミリ)
レンズ マクロ
ハウジング
※オリンパスのミラーレス一眼はセンサーがマイクロフォーサーズのため、焦点距離はレンズ表記されている画角の2倍となります。レンズ選びの際はカッコ内の数字を参考にしてください。
ワイドの場合は8ミリフィッシュアイが丁度いい画角です。マクロの場合は45mmが丁度良いでしょう。
3-3. ミラーレス ニコン
メジャーなニコンのミラーレス一眼とレンズは以下のとおりです。使用するレンズはハウジングメーカーとポートの組み合わせによって変わります。リストのリンクは楽天で中古も検索可能です。
ニコンのミラーレス一眼はZマウントなので、これまでの一眼で使われていたFマウントレンズをミラーレスで使用する場合アダプターが必要です。新型のZマウントはミラーレス用レンズなのでアダプターは不要です。
カメラ本体
レンズ ワイド:
- SIGMA 15mm F2.8EX DG DIAGONAL FISHEYE(Fマウント)
- トキナー AT-X 107 DX Fisheye(Fマウント)
- Nikon AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm F3.5-4.5E ED(Fマウント)
- Nikon AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G(Fマウント)
- Nikon AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED(Fマウント)
- NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S(Zマウント)
- NIKKOR Z 14-30mm f/4 S(Zマウント)
レンズ マクロ
- Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED(Fマウント)
- AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED(Fマウント)
- NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S(Zマウント)
- NIKKOR Z MC 50mm f/2.8(Zマウント)
ハウジング
ワイドの場合、フィッシュアイは「SIGMA15mm」「NIKKOR 8-15mm」、広角ワイドの場合「NIKKOR Z 14-24mm」が使いやすいです。
マクロの場合、「NIKKOR Z MC 105mm」「NIKKOR Z MC 50mm」の両方を使います、APS-C機Z50でマクロの場合「NIKKOR Z MC 50mm」がメインとなります。
変換アダプター
3-4. ミラーレス キャノン
メジャーなキャノンのミラーレス一眼とレンズは以下のとおりです。使用するレンズはハウジングメーカーとポートの組み合わせによって変わります。リストのリンクは楽天で中古も検索可能です。
キャノンのミラーレス一眼はRFマウントなので、これまでの一眼で使われていたEFマウントレンズをミラーレスで使用する場合アダプターが必要です。新型のRFマウントはミラーレス用レンズなのでアダプターは不要です。
カメラ本体
レンズ ワイド
- キャノン EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM(EFマウント)
- キャノン EF15mm F2.8フィッシュアイ(EFマウント)
- シグマ 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE(EFマウント)
- キャノン EF16-35mm F2.8L III USM(EFマウント)
- トキナー AT-X 107 DX Fisheye(フルサイズ15mm以上で使用可)(EFマウント)
- キャノン RF14-35mm F4 L IS USM(RFマウント)
- キャノン RF15-35mm F2.8 L IS USM(RFマウント)
レンズ マクロ
- Canon EF-S 60mm F2.8 Macro USM(EFマウント)
- Canon EF100mmF2.8L Macro IS USM(EFマウント)
- Canon RF100mm F2.8 L MACRO IS USM(RFマウント)
- Canon RF85mm F2 MACRO IS STM(RFマウント)
ハウジング
変換アダプター
3-5. ミラーレス一眼のメリット
- 軽い
- コンパクト
- 持ち運びやすいので旅行などにぴったり
- シャッターを切る前にモニターで仕上がりを確認できる
3-6. ミラーレス一眼のデメリット
- 電池の減りがかなり早い、一日もたない
- ファインダーが液晶なので見にくい(最新モデルはいい)
ミラーレス一眼の最大のデメリットとして、バッテリーの減りがかなり早いです。一日3本潜ってカメラ本体のフラッシュでストロボを同期している場合、バッテリー1日持つか持たないかギリギリになります。連日潜る場合は毎日ハウジングを空けてカメラのバッテリーを交換することになり手間がかかります。
例えばNikon Z、Cannon Rなど最新型のミラーレスでもカタログ値で370枚~450枚の撮影でバッテリーが切れます。つまり水中でかなり多く撮影する場合、1日持たない可能性があります。特にマクロの場合は撮影枚数が多くなることが多いので、ミラーレスを使う場合バッテリーに注意しないといけません。
また多くのミラーレス一眼の場合、フラッシュのシャッタースピード同調が200~250しかありません。200~250以上のシャッタースピードでストロボを使う場合、同じストロボ光量のままだと徐々に写真が暗くなることも考えておく必要があります。
4. カメラ・レンズ・ハウジングを揃える順番
- ハウジング
- カメラ本体
- レンズ
ハウジング、カメラ本体、レンズを買う順番として、最初にハウジングを購入します。ハウジングさえ手に入れてしまえば、カメラ、レンズなどはあとからの購入でも大丈夫です。
その理由としては、カメラだけ先に買ってもハウジングが発売されていなかったら水中で使うことができないからです。
またカメラだけ先に買っておき、お金を貯めて一年後にハウジングを買うパターンもやめた方がいいです。その間にハウジングが生産中止になってしまった場合、カメラだけが残り結局水中で使うことができません。
そういったこともあり、最初にハウジングを購入します。そして、カメラ本体、レンズを順番に揃えます。
4-1. 中古での購入もおすすめ
コストをおさえたい場合は楽天で中古を検索して購入するといいです。ハッキリ言って新品で購入しても中古でも機能は同じです。
私の場合、買えるものは全て中古で買っています。これまでの経験からして中古で買って後悔したことは一度もありません。
少し前のモデルだと、カメラは中古で多く流通していますがハウジングを見つけるのが難しいです。しかし、現行で発売されているハウジングの場合、ハウジングを新品で購入してカメラとレンズを中古で購入すれば購入コストをおさえることができます。
リテラシーの高い人は中古も選択肢として取り入れましょう。
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