部長です。
水中写真の撮影で絞り優先の使い方についてです。
ダイビングのときに本格的に写真を撮る人や、いいカメラを最近使い始めた人の中には、絞り優先について知りたいって人も多いと思います。
また、実際のところ絞り優先に設定しているけど、実はよく分かっていない人も多いと思います。
そこで本日は、絞り優先モード(A)について説明していきます。
カメラと絞り優先を使いこなしたい人は、参考にしてください。
水中写真で絞り優先オートをマスターする
では早速ですが、絞り優先について解説していきます。
分かりやすく説明するために、以下の要点について書いていきます。
絞り優先の要点
- 絞りとボケの関係
- マクロ撮影の絞り
- ワイド撮影の絞り
- 絞り、シャッタースピード、ISOの関係
こういった感じで説明していきます。
1. 絞りとボケの関係
まず最初に基本的な絞りとボケの関係についてです。
簡単に言うと以下になります。
絞り
- 開く:F値を下げる 背景がボケる ピントの深度狭い
- 絞る:F値を上げる 全体的にクッキリ ピントの深度広い
こういった感じです。
多くの場合、絞りは背景のボケ具合をコントロールするために使います。
背景をボカしたければ、絞りは開放気味にします。
逆に全体的にクッキリと撮影したければ、絞り気味にします。
また、絞りを開放にするとピントの合う奥行きの範囲が狭くなり、ピント合わせがかなりシビアになります。
マクロの場合は、魚の目にピントを合わせるのに苦戦します。
逆に絞りを絞ると、ピント合う範囲は広くなりますので開放よりは撮りやすいです。
2. マクロ撮影の絞り
例えば、マクロ撮影で背景をボカして撮りたい場合は、F8以下くらいで撮ります。
↓この写真はF4.5でかなり開放気味で撮っています。
この写真はかなり開放気味で撮影していますが、通常はF8くらいがちょうどいいです。
あまりF値を下げ過ぎると(開放)ピントの合う範囲がとてもシビアになりますので、目にピントを合わせてクッキリ撮影するのが難しくなります。
写真によっては、ピントの部分以外は全てボケていて場合によっては見にくい写真になります。
逆に、絞りすぎると全体的にクッキリ写る普通っぽい写真になります。
私の感覚からすると、マクロでは多くの人にとってF8くらいが丁度いいと思います。
なので、まず絞り優先で撮影する場合は、F8くらいから撮り始めてから自分の好きなように調節していきます。
3. ワイド撮影の絞り
一方で、ワイドの場合は背景をボカさずに全体的にクッキリハッキリと撮った方がいいので、なるべく絞ってF10以上で撮影します。
↓この写真はF11で撮っています。
上の写真はF11で撮っていますが、私的にはF13くらいでもいいと思ます。
ワイドではF10~F13くらいが丁度いい絞り加減で、撮影しやすいです。
また、ワイドの撮影ではなるべく絞った方が(F値を上げる)、太陽光が光の筋みたいになってカッコよく撮れます。
洞窟に光が差し込んでいる写真なんかも、なるべく絞った方が光線のように撮れます。
もちろん、上の写真のように群れの撮影でもクッキリ撮ることができます。
とは言え、F13以上絞ると写真が写真がアンダー気味になったりして逆に難しくなります。
水がかなりキレイな海だとF13くらいでも光が入るので問題ありませんが、まずまずの透視度の場合はF10くらいにしたりします。
そんな感じで調節したりします。
陸上写真1
では次に陸上での写真を見てみましょう。
家の前で適当に撮影してみました。
開放気味
絞り気味
上記の二枚の写真を見ると一目瞭然ですが、解放している方が背景がボケているのがわかると思います。絞りは開くほど背景がボケていきます。
陸上写真2
ではもう一枚写真を見てみましょう。
今度はもっと小さい被写体で撮ってみました。
下のハエの写真を見てください。
開放気味
絞り気味
開放気味の写真の方が背景がボケてメルヘンチックになっています。
4. 絞り、シャッタースピード、ISOの関係
さて、ここまでくるともう一息で絞り優先をマスターできるので頑張ってください。
次は、絞り優先にした場合に関連するシャッタースピードとISOについて説明します。
まずそもそもですが、絞り優先はその名の通り、絞りを最優先して選択します。
例えば、背景をボカしたいのでF6に固定して撮影するといった感じです。
その場合当然、写真全体が適正露出にならないといけませんので、絞り以外のシャッタースピードとISOが調節されて適正露出になります。
つまり絞りを固定した場合、シャッタースピードの速度が自動、ISO感度は固定もしくはオートにして適正露出になって撮影されます。
具体的に言うと、例えば、絞りはF6でISOは200に固定している場合、シャッタースピードが完全にオートになります。
露出が足りなければシャッタースピードは遅くなり、明るければシャッタースピードが速くなります。
4-1. 絞り優先はISO感度も変えれる
絞り優先モードでは、ISOを変えれます。
ISOはオートもしくは、希望の数値にします。
例えば、絞りはF6に固定してISOを200に固定した場合はシャッタースピードがオートになります。
しかし、絞りをF6に固定してISOもオートにした場合、シャッタースピードとISOがオートになり、自動的に調節されます。
つまり、シャッタースピードだけが負担していた部分をISOにも与えることになるので、ISOにゆとりが生まれシャッタースピードが速くなります。
このようにして、絞り優先はF値の他にISOも調節できます。
4-2. ISOを低くすると
絞り優先でISOを100など低めに固定すると、画質はいいですがシャッタースピードが遅くなります。
つまり、動かない被写体なら問題ありませんが、動く被写体などの撮影ではシャッタースピードが遅すぎると被写体ブレしやすくなります。
目安として、シャッタースピードは1/100以上欲しいところです。
ワイドでもマクロでも、シャッタースピードは目安として1/100以上あればある程度オールマイティーに撮影できます。
とんでもなく動きの速い被写体の場合はもっとシャッタースピードが必要です。
4-3. ISOをオートもしくは高めにすると
絞り優先でISOをオートもしくは高めにすると、シャッタースピードを稼げます。
つまり、ISOが低いとシャッタースピードが遅くなりますが、ISOを高くしてあげるとISOにも調節の猶予を与えることになりますので、シャッタースピードを間接的に早くすることができます。
例えば、絞り優先F6固定、ISO100固定で撮影してみてシャッタースピードが遅ければISOを高くします。
そうすると、ISO+シャッタースピードで露出が調節されますので、シャッタースピードだけが負担していた部分がISOにも与えれられますので、シャッタースピードにゆとりが生まれ、シャッタースピードを速くすることができるのです。
4-4. ISOオートの上限を設定する
とは言え、ISOを無限オートにしておくと、かなり高くなってしまい画質が落ちることもあります。
なので、ISOはオートにしつつ上限設定を800などにしておくとそれ以上高くなることはありませんので、画質の劣化を防止できます。
例えば、ストロボを使用できないイルカやクジラ、サメなどの撮影ではISOをオートもしくはかなり高めに設定して撮影します。
なぜならばストロボやライトの光源がありませんので、水中で露出アンダー気味になりますので、ISOを高くしないとシャッタースピードが遅すぎてまともに撮影できないからです。
なので、そういった撮影ではISOオートで普通に3000くらいまで使ったりします。
ストロボを使っての撮影であれば、ストロボ光がかなり明るいのでISOをあまり高くする必要はありません。
具体的には700以上使うことはまずないと思います。
マクロであれば、平均64~400くらい、ワイドであれば使っても600程度が目安です。
水中写真撮影で絞り優先をどんどん使ってみよう
ということで、これまでの説明で絞り優先はかなりマスターできたと思います。
が、一応以下にまとめます。
絞り優先のまとめ
- 絞りF値をまず決める
- シャッタースピードは完全オート
- ストロボを使う場合ISOは固定
- ストロボなしでカメラ単体の場合ISOはオート
- シャッタースピードが遅ければISOを高くする
こんな感じです。
とりあえず、F値を固定したらシャッタースピードで調節されるけど、ISOでも調節できます。
実際に水中で撮影してみて、シャッタースピードが1/60など、1/100より遅ければ高くなるようにISOを上げます。
カメラの露出設定を使う
ちなみに、カメラの露出補正について書いておきます。
これは意外と知らない人も多いと思います。
露出補正機能は+と-のマークのボタンで、全体的な明るさを調節できます。
例えば、露出をプラスにすると写真は明るくなり、マイナスにすると暗くなります。
撮影してみて、明るすぎたら露出設定を下げる、暗すぎたら露出設定を上げます。
基本的にカメラの適正露出は自分で思っているよりもけっこう暗めですので、暗いと思ったら露出補正を数段階+にしましょう。
具体的に絞り優先で露出設定を変えると、ISOが固定の場合以下になります。
- 露出をプラス:シャッタースピード遅くなる
- 露出をマイナス:シャッタースピード速くなる
なので、シャッタースピードを考えるのであれば、ISOをある程度高くしておくことで、シャッタースピードを稼げます。
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そんな感じで、絞り優先についてでした。
これで絞りは完璧です。
ゴリゴリに撮りまくってください。
では。