部長です。
ダイビングで水中写真を撮影する際に、黒抜きで撮影する方法と具体的なテクニックです。
水中写真を撮るのが好きな人や、一眼レフなどを使っているフォト派の人の中には、黒抜きする方法について知りたい人もいると思います。
そこで本記事では、水中写真を黒抜きで撮影する具体的なカメラの設定やテクニックを解説していきます。
黒抜きをマスターしたい人は、参考にしてください。
水中写真で黒抜きに撮影する方法|具体的な手順とテクニック
では早速ですが、水中写真を黒抜きで撮影する方法について書いていきます。
分かりやすく要点を解説するために、以下の点について書きます。
黒抜き
- 黒抜きになる仕組み
- カメラのおおよその設定
- 黒抜きの手順
こんな感じで説明していきます。
基本的に、本記事をしっかり読んで理解することで、黒抜きの写真が撮れるようになります。
なので、まずは落ち着いて理解するようにしてください。
しっかり考えると、そこまで難しくありません。
では以下で解説していきます。
1. 黒抜きになる仕組み
まず最初に、黒抜きになる仕組みを覚えてください。
つまり、基本的には写真が真っ暗になるようにカメラを設定して、そのうえでストロボを発光させると、自動的に黒抜きの写真になるのです。
例えば、真っ暗な舞台に立っている人にライトを当ている状態で写真を撮ると、暗い中にその人だけが写る写真になります。
しかし、ライトを当てないで写真を撮るとただの暗闇になります。
つまり、基本的には意図的に暗い写真にしつつ、ストロボを被写体に当てて黒抜きの水中写真を作ります。
これが基本的な黒抜きの仕組みです。
2. カメラのおおよその設定
続いては、カメラのおおよその設定です。
マニュアルなどで設定できるカメラや一眼の人は、具体的な設定として以下を参考にしてください。
カメラの設定
- 絞り F13以上
- シャッタースピード 1/160以上
- ISO100
- ストロボ使用
ざっくりこんな感じです。
ポイントとしては、シャッタースピードはなるべく早くする、絞りはできるだけ絞る(F値を上げる)、ISOはできるだけ下げます。
こうすることで、意図的に写真を暗くすることができます。
基本的にISOは最低にします。
理由としては、光を強制的にとらえるISOは黒抜きの写真で不要だからです。
なので、ISOを最低にしておけば大丈夫ですし、ISOは低い方が画質がいいです。
全体的な暗さは、絞りとシャッタースピードでコントロールします。
ただし、シャッタースピードは1/250以下、絞りはF20以下くらいがいい感じで、それより上げすぎると、ストロボの光ですら写らないくらい暗くなります。
なので、上記で書いた設定くらいでまずは撮り始めるといいです。
3. 手順
続いて、具体的な手順について解説します。
黒抜きの手順は以下になりますので、覚えてください。
黒抜きの手順
- 被写体になるべく寄る
- 背景に何も写らない角度にする
- 写真の露出設定を真っ暗にする
- ストロボを使用
- 最後に編集する
こういった感じです。
3-1. 被写体になるべく寄る
基本的に被写体にはなるべく寄って撮影してください。
なるべくと言うか、できれば最短撮影距離で撮影する意識を持つといいです。
被写体になるべく寄ることで、カメラと被写体の間の水のフィルターが少なくなりますので、被写体を鮮明に撮影でできます。
また、寄ることで写真の画角に写り込む、ストロボの光に反射した浮遊物やゴミを減らすことができます。
なので、キレイに撮影するためには、まず被写体にできるだけ寄るようにします。
3-2. 背景に何も写らない角度にする
水中写真で黒抜きするには、背景には何も写り込まない角度から撮影します。
理由としては簡単で、被写体の背景が抜けてないと背景まで写真に写るので、黒抜きにならないからです。
なので被写体の背景には何も写らない角度から撮影します。
3-3. 写真の露出設定を真っ暗にする
最初に書いた具体的なカメラのおおよその設定で撮り始めます。
まず水中に入ったら、適当に枝や海藻を取ってみて黒抜きっぽくなっていれば成功です。
後は被写体を探して、撮りながら調節します。
3-4. ストロボ使用
黒抜きで撮影するときは、ストロボを使用します。
ライトよりも光の光量が大きいので、暗い部分と光の当たっている部分の差がストロボの方が出やすいからです。
なので、黒抜きする場合はライトよりもストロボの方がおすすめです。
ストロボのモードはマニュアルがベストです。
理由としては、黒抜きする場合、固定の発光量で調整する方が撮影しやすいからです。
例えば、撮影してみてもう少し光量が欲しければストロボの光量を上げます。
逆に暗くしたければ、光量を下げます。
一方でTTLで撮影しても、カメラの露出を真っ暗にしている時点で、フラッシュはフル発行気味になります。
なので黒抜きでは当然、フル発光させる必要はありませんのでマニュアルの方が使いやすいです。
3-5. 最後に編集する
黒抜きした写真の最終仕上げは、写真の編集です。
撮影の段階で70%くらいベースを撮っておいて、編集で仕上げます。
編集しなくても上手に黒抜きになっている場合も多いですが、ゴミが写っていたり背景がきれいな黒になっていないことが多いので、編集は必須です。
実際の編集例 ビフォーアフター
では実際の編集例を見ていきます。
上記は私がパラオのGP3で撮影したハゼです。
カメラの設定は最初に書いた以下になります。
- 絞り F18
- シャッタースピード 1/200
- ISO100
- ストロボ使用
カメラはニコンのD810ですが、上記の設定でガラスハゼを撮影したら黒抜きになりました。
↓これをキレイにしてあげるとこんな感じになります。
どうでしょう、全然違くないですか?
かなり良くなったと思います。
パソコンの人は画面が大きいので見やすいと思います。
こんな感じで、最後に編集して仕上げるとグッと引き締まって良くなります。
ちなみに編集内容としては、ざっくり以下になります。
- ゴミをスポットで除去
- シャドウ、黒レベルを上げて黒い部分はさらに黒く
- トリミングして構図を整える
こんな感じで編集すると、質のいいカッコイイ写真に仕上げることができます。
【おすすめのストロボ】
黒抜きの水中写真で応用編と作例
↑白浜(和歌山)で撮影したフタイロハナゴイです。
背景を玉ボケさせて銀河仕様で撮影してます。
↑串本(和歌山)で撮影したサクラダイの幼魚です。
↑パラオで撮影したハゼです。
↑こちらのオオウミウマは和歌山の白浜で撮りました。
撮影したカメラはソニーRX100M5で、ライト一本を使用して撮っています。
↑こちらのエビ写真は和歌山の串本です。
カメラはニコンD810、レンズは60ミリでスヌートを使用して撮っています。
↑こちらのモンハナシャコは柏島で撮影しました。
カメラはニコンD810、レンズは60ミリでスヌートを使用して撮っています。
↑こちらのナカモトイロワケハゼモドキはパラオで撮影しました。
ストロボとスヌートを使用して撮影しています。
黒抜きしやすい被写体
黒抜きしやすい被写体は、動かない被写体です。
例えば、ガラスハゼなんかはいい練習台なので、これから黒抜きを撮ってみたい人にはおすすめです。
コンデジで黒抜きをしようと思っている人にも撮りやすいです。
逆に、中層を泳いでいる魚や、動く魚の黒抜きは難易度が上がります。
1ダイブ1被写体でじっくり粘って撮影することで、納得する写真が撮れると思いますので、頑張ってください。
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そんな感じで、黒抜きで水中写真を撮影する方法についてでした。
ゴリゴリに黒抜きした写真を量産してください。
では。