部長です。
ダイビングや水中写真の撮影で、コンデジでストロボを使うセッティングです。
これからダイビングでストロボを使おうと思っていたり、コンデジにストロボをセットして使おうと思っている人の中には、ストロボとコンデジのセッティングについてある程度知りたい人も多いと思います。
そこで本記事では、コンデジでストロボを使うセッティングについて書きました。
どんな感じで使えばいいのか知りたい人は、参考にしてください。
水中写真やダイビングでコンデジとストロボを使うセッティング
では早速ですが、水中写真でコンデジとストロボを使うセッティングについて解説していきます。
まず最初に結論から書いておくと、カメラシステムのセッティングはストロボ一灯の場合、カメラの全体感として上記の写真の感じがおすすめです。
なので、写真の感じでセッティングするといいです。
そして、今回はコンデジとストロボについて要点を分かりやすく説明するために、以下について解説します。
コンデジとストロボの使い方
- ストロボ+フォーカスライト
- カメラ本体のモード、設定
- ストロボの設定
- コンデジとストロボを繋ぐ
- ストロボの位置、角度
ストロボの使い方については、まず最初はカメラに連動する最も簡単な使い方で、TTLオートについて書いていきます。
1. ストロボ+フォーカスライトが理想
基本的には、カメラに両手グリップを装着して、片側はストロボ、もう片方はフォーカスライトにします。
こうすることによって、フォーカスライトでカメラのオートフォーカスの精度を上げつつ、ストロボを光源とした撮影ができるようになります。
1-1. フォーカスライトの役割
と言うのも、カメラのオートフォーカスは正常に動作する周囲の明かるさが決まっています。
そのため、水中の暗い環境になるとカメラのオートフォーカスが正常に作動する周囲の明るさの範囲を超えてしまい、ピントが合わないことが多いです。
つまり、ストロボ単体で使用すると、ピント合わせの補助光が無いのでフォーカスに時間がかかり、結局撮影までに時間かかることも多いです。
そういったことから、フォーカスライトでピントを合わせてから、ストロボを光源とした撮影をするのが理想です。
1-2. おすすめのグリップ
↓おすすめのグリップは、イノンのホルダーⅢセットです。私の写真のやつですね。
これに、シングルグリップのホルダーⅢを追加して両手グリップにします。
2. カメラ本体のモード、設定
カメラ本体のモードは、フラッシュが発光されるモードで使用します。
↓例えば以下になります。
絞り優先の場合
- 絞り優先(A)F6前後
- ISO100~300
- フラッシュ強制発光(光量オート)
- フラッシュ補正±0
- ホワイトバランスは晴れ
こんな感じで設定します。
1-1. フラッシュは基本強制発光で光量オート
ストロボを使う場合、大事なのはカメラのフラッシュを強制発光にして、光量はオートにします。
※光量は任意で選ばなければオートのままになってます。
なので、カメラ本体のフラッシュは必ずオンにして、光量はカメラ任せのオートになっていれば、まずはオッケーです。
↓分かりやすく書いておくと、例えばオリンパスのXZ-2はこんな感じでフラッシュは強制発光にします。
↓フラッシュ補正は±0で大丈夫です。
1-2. ISO100~300
ISOはオートではなく、固定にします。
ストロボを光源として撮影する時点で、かなりの明るさを確保できますのでISO感度を上げて撮影する必要はありません。
そのため、ISOは画質を優先してできれば300以下に設定するといいです。
ただし、撮影してみてシャッタースピードが1/60以下より遅くなるようであれば、ISO感度を上げてシャッタースピードも上がるように調節します。
1-3. ホワイトバランスは晴れ
ストロボを光源として撮影する場合は、ホワイトバランスはオートや水中モードではなく、晴れにします。
その理由としては、ストロボの光の色が太陽光に近いので、ホワイトバランスを晴れや晴天にしておくと、より自然な色で撮影できるからです。
そもそもですが、ホワイトバランス水中モードはライトやストロボを使わずに撮影する場合の機能になります。
ライトやストロボを使わない場合に、水中で失われる赤色をカメラが自動的に補正してくれるといった機能です。
なので、ストロボを使用している時点でホワイトバランスを水中にすると、カメラの補正+ストロボ光の色で赤色が過剰に上乗せされたりして、不自然な色の写真になります。
そういったことから、ストロボを使用する場合はホワイトバランスは晴れにします。
3. ストロボの設定
次はストロボの設定です。
TTLで使用する場合、ストロボの設定はとても簡単です。
↓例えば以下はイノンのS2000ですが、左側のスイッチを真ん中で黄色の「STTL」に合わせるだけです。
STTLに合わせておけば、カメラのフラッシュ発光に同調する光がオートでストロボから発光されます。
つまり、スイッチをSTTLに合わせてオンにするだけなので、すこぶる簡単です。
右側のダイアルではフラッシュの光量を調節しますが、TTLで使用する場合は黄色で書かれている、ABCのどれかの三段階で少し発光量を変えることができます。
↓もっと簡単にストロボを使いたい場合は、SEA&SEAのYS-03 SOLISを使います。
このストロボはとても簡単なので、初心者でもすぐに使えます。
なぜなら操作方法は、スイッチをオンにするだけだからです。
つまり水中に入ったら、ストロボのスイッチをオンにすればすぐにTTLでストロボが使えるようになります。
まずはお手軽にストロボを使いたい人にもおすすめです。
4. コンデジとストロボを繋ぐ
コンデジとストロボを接続するのは、光ファイバーケーブルで接続します。
接続は簡単で、ストロボとカメラの穴に光ファイバーケーブルを差し込むだけです。
↓イノンのストロボの場合は、イノンの光ファイバーケーブルを使います。
↓SEA&SEAのストロボの場合は、シーアンドシーのケーブルを使います。
同じ光ファイバーケーブルですが、ストロボ側の差込口の形が違いますので、ストロボと光ファイバーケーブルは同じメーカーをセットで使うようにしてください。
5. ストロボの位置、角度
基本的にコンデジで、ストロボ一灯で撮影する場合のストロボの位置や角度は、センター真上でオッケーです。
左右どちらかに傾けて撮影する場合も出てくると思いますが、基本はセンターにストロボを配置するといいです。
↓こんな感じです。
ワイドの場合は更に上に伸ばして、できるだけレンズ面から離して撮影することで、浮遊物の写り込みを軽減できます。
ここでポイントなのが、被写体にストロボの光を当てたいからといって、ストロボをおもいっきり前に突き出さないことです。
ストロボのライティングのコツは、被写体に光を浴びせるのではなく、被写体と被写体の周り全体を明るくするイメージです。
そうすることによって、全体的に明るくきれいな水中写真が撮れるようになります。
↓例えば以下の写真を見てください。
この写真を見ると、被写体に光を浴びせてるというよりは、全体が明るくクリアになっているのが感じられると思います。
こんな感じで、全体を明るくして撮影できるようになるとかなり上手です。
なので、まずはストロボを離し気味で全体を明るく撮影できるようになるといいです。
全体が明るくなれば、当然被写体にも光は当たりますので。
コンデジで美しい水中写真を撮影するにはストロボは必須
コンデジで美しい水中写真を撮影するには、ストロボは必須です。
って言うか、ストロボ無しでいくら頑張っても難しいです。
って言うのも簡単な話で、水中では色が失われて青かぶりするので、ストロボなどの光源を使って色を復活させないと青かぶりした写真しか撮れません。
↓例えば、ストロボ無しでカメラ単体で撮影しても、こんな感じで青かぶりした写真になります。
↓しかし、ストロボを使用するとこんな感じで撮れます。
どちらがいいかは好みかもしれませんが、ほとんどの人は下の写真の方がいいですよね。
こういった理由から、コンデジであっても美しい水中写真が撮影したければ、カメラをシステムアップして、フォーカスライトやストロボを使用するのが必須なわけです。
コンデジの水中モードの限界
最近のコンデジには、水中モードが搭載されているカメラも多いです。
しかし、そもそもコンデジの水中モードは、相当透視度のいい光の差し込む水深10m以内くらいで使うのが限界です。
水深10mを越えてくると、かなり色が失われて水中は青くなりますので、コンデジの水中モードの補正ではその内限界が来ます。
↓例えば以下は、パラオのブルーコーナーで水深16mくらいです。
コンデジは、私の愛用しているソニーRX100M5で、ホワイトバランスは水中にして撮ってます。
しかし、やはりどんなに水がキレイなパラオであっても、水深16mくらいになると青かぶりします。
なので、オールマイティーにどこの海でも、どんな透視度でも撮影をしたい場合は、結局ストロボは必須なのです。
そもそもストロボを使わずに水中モードだけで撮影できるのなら、プロカメラマン全員そうしますよ。
しかし、水中ではそれが難しいので皆ストロボを使って撮影しているのです。
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そんな感じで、コンデジでストロボの使い方でした。
ぶっちゃけ、美しい水中写真が撮りたければ、さっさとストロボを付けた方がいいです。
では。